2008年04月07日

事業所紹介6

事業所紹介6

今日は掛川青年会議所の副理事長、大塚くんが営む
大塚製茶株式会社を訪問しました。
大塚製茶の創業は昭和35年。
茶匠としてスタートし来年で50周年を迎えるのだが、
実は茶と関る大塚家の歴史は大変古く
江戸時代末期からスタートする。

大塚くんの先祖、大塚眞平という開拓士が
幕府の直轄領だった御林(おはやし)で
茶の栽培をはじめたところからだそうだ。

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社内に一歩踏み入れると
たくさんのトロフィーがところ狭しと並ぶ。
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下のトロフィーは昨年、県知事賞を受賞したときもの。
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数ある受賞の中でもいちばんうれしかったのが
このトロフィー「掛川の香」と「掛川の誉」をダブル受賞したときだそう。
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「お茶のブランドは全国にたくさんあります。静岡だけでも数種類、京都の宇治茶とか…よく行われる全国的なコンテストでは、審査員の味の好み、要するにそのブランドが好きか?ってことが基準になってたりすると思うんですよ。この賞を受賞したときのコンテストの基準は掛川ブランドの中でどうなのか?ってことを審査してもらったのですから。農林水産大臣賞も受賞していますが、この賞がやっぱりうれしかったです」



みなさんは金谷と掛川の境界にあるこの「茶」という
木を植え込んでつくられた文字をご存知だろうか?
この文字は昭和7年にこの東山の村長さんが
「自分たちの生業である茶業に誇りをもとう!」と
掛川茶のPRもこめて植え込んだものだそうです。

「掛川でも東山・日坂のお茶は最高です。日本一だと思います。この辺の農家さんは、お米をつくるための田んぼを持っていません。お米は買っているそうです。他の農業には目もくれず、最高の品質のお茶をつくることだけに専念されたます。私たち大塚製茶は、そんな熱心な農家さんと共に、お茶をつくるための土壌づくりからお手伝いさせてもらってます」
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お茶屋さんの取材にきたなら絶対聞きたいこと
美味しいお茶の入れ方を聞いてみました。

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「うちは試飲してもらうのに、いつも同じ条件でしてもらいたいので、まずブラインドを閉め、特別の発注した蛍光灯をつけ、その条件下で味わってもらってます。光でお茶の葉の色がいつも違うように見えたり、注いだお茶の色も変化したりするのでそうしているんですね。味わうっていう言葉には、視覚的なことも入っていると考えているからです」

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「では違いをわかりやすくするために3種類用意してみます。①お湯の温度が98度と高いもの②お湯の温度が60~80度程度のもの③お湯の温度が60~80度で何回か急須を回してみたもの。どれも急須の中で1分間蒸らします」
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上から①②③の順番ですが
もう見た目で違いが出ています。
感想ですが
①は、 味が濃くとがった感じがしました
②は、 まろやかで甘かったです
③は、 まろやかで渋かったです
という結果から
お湯の温度が60~80度にしたものが良いということになります。

「そうですね。60~80度がお茶を美味しく味わうための2大成分、アミノ酸とカテキンがいい具合に出てくる温度なんですね。美味しいお茶を飲むためには、心を落ち着かせて沸かしたてのお湯を入れるのではなく、冷ましてから、そして急須に注いだらすぐ湯呑みに入れるのではなく1分間蒸してお楽しみください」


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そして美味しいお茶を仕上げるために工夫が凝らされた
大塚製茶の工場の中を見学させてもらいました。
まず工場内がとてもきれいなのです。なんとなくお茶の細かい葉などが
落ちているようなイメージをもっていたのですが
そんなものは一切なく、大変クリーンな場内でした。
それには上の写真の空調に秘密があるそうです。

お茶を加工するのに適した摂氏20度、湿度40%に
いつも近づける努力をしているのです。

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これが有名な「荒茶」の状態。
市場ではこの状態で取引されるそうです。
掛川市は2年前まで荒茶の生産が全国一番でしたが、
合併した牧之原市に抜かれ、さらに鹿児島のどこかの市に
抜かれてしまったようです。

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この機械は1700万円!わぉ~つ。
しかも2台購入したそう。
特殊なモニターで葉に混入した不純物などを選別する。
大塚製茶の生産量なら1台でよかったところ
品質にこだわりたいという理由で2台購入し
2回選別にかけているそうだ。

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大きい葉と小さい葉の選別や
不純物の除去などを終えて焙煎されて出てきたものです。

この焙煎された茶葉を
常に監視し、
味に変化がないかを確認している。
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こうして様々なこだわり(業者さんと共同開発した企業秘密の機械)を
通り大塚製茶のお茶が市場に出荷されていきます。

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元気で明るいスタッフの皆さん。
真ん中にいるのが大塚くんのお父様です。



そして舞台はお茶畑に移ります。
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奥に見えるお茶工場
ここから届けられるお茶の葉が
日本で一番の茶葉だと大塚くんは語ります。

手前に写っている茶畑は
冒頭に登場した御林の茶畑です。

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この東山・日坂の土地は
茶葉を育てるのに適した条件がたくさんあるそうです。
例えば上の写真のように
霧が出て強い太陽があたる日が少ないのが良いとのこと。
もともとお茶は椿科で日陰で育つ樹木だからだそう。
そして大井川水系からおくられる軟水が
掛川茶の美味しさを引き出すのにあっているとか
大井川から吹き込む風が
山のおかげで直接あたるのを避けられるとか
様々な好条件が重なっているんだと…

最後に登場したのは
大塚くんが認定した日本で一番のお茶の木
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これです!
葉がぎっしりですよね。
なんだかその辺で見かけるお茶の木とは違います。


「お茶の木の根っこには葦やすすきみたいな草をひくそうです。草を根元におくという作業を10年続けてやっと1cmの土ができる、これを100年くりかえして今の素晴らしい土壌ができたんだそうです。そんな地道な作業をいつまでも手作業で行い、この地域のお茶の品質を守りたい。この前、茶農家さんとはなしているとき、こんなことをおっしゃってました。お茶農家の皆さんは、美味しいお茶を飲んでもらいたいという思いで、一生懸命お茶を生産しています。今、ペットボトルで簡単にお茶が飲める世の中ですが、私たち茶匠は、葉を入れてお湯を注ぐこの素晴らしい文化を後世に伝えていかなければならい。私はそんな美味しい掛川茶を日本全国に広めていきたい」


なるほど。
そんな熱い思いで青年会議所活動もしているのでしょうね。
大塚理事長の思いの強さ
そして本質へのこだわりに
ただ頭が下がる1日でした。 ありがとうございました。




Posted by 掛川JC理事長山下 at 19:47│Comments(0)
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